勉強したがらない小学生に!低学年向け「遊び×学び」の家庭学習アイデア

勉強したがらない小学生向け 家庭学習

勉強したがらない小学生に!低学年向け「遊び×学び」の家庭学習アイデア

「学校の宿題だけで足りてるのかな」

「勉強させたいけど、うちの子勉強嫌いだし…」

そんなふうに悩む保護者の方は多いのではないでしょうか。

「勉強させなきゃ」と思って関わっても、子どもが「やらされている」と感じる学習は、なかなか長続きしないし、逆効果

勉強を嫌がってバトルになった経験がある方もいると思います。

この記事では、元教員の視点から、机に向かうのが苦手な子どもでも、家庭で楽しく学習できるアイデアを具体的に紹介します。

筆者:まりも
フリーランスのWebライター。
10年間小学校教員を勤め、半数ほどは低学年の担任を経験。
学校現場で耳にした悩みや相談をもとに、保護者や教員に役立つ情報を発信中。

宿題以外の勉強は必要?家庭学習の意味と目安

家庭学習

プリントやタブレットで、学校から宿題が出ることがあると思います。

でも、中には「これだけ…?」「ほかにも何かやらせるべき?」と感じる保護者の方もいるのではないでしょうか。

宿題以外の学習が必要かどうかは、子どもの学習ペースによって変わってきます

その理由を、家庭学習の意味と関連付けながら解説していきます。

家庭学習の目的とは

家庭学習の目的は、学力を高めるだけではありません。

もう一つ大切なのは「学習習慣を身に付ける」ことです。

「毎日同じ時間に」「1日10分」と決まったペースで取り組む。

こうした積み重ねが、習慣作りに大切です。

学校から出ている宿題が多い、毎日計画的に取り組めているといった場合は、家庭独自の学習を無理に増やす必要はありません。

でも「宿題がすぐに終わってしまった」「何もすることがない」ときは、短時間でも学習時間を確保すると、家でも勉強することが日常化していきます

 「学年×10分」が目安!大事なのは続けられるペースづくり

家庭学習の時間としてよく言われるのが「学年×10分」。

たとえば1年生なら10分、3年生なら30分。これは「無理なく毎日続けられる基準」として、学校現場でも意識されています。

ただ、これはあくまで「目安」。
重要なのは時間の長さよりも「毎日学ぶリズム」をつくること

たとえば、タイマーをセットして「時間で区切る」方法が合う子もいれば「今日はここまで」と「量で区切る」方がやりやすい子もいます。

その子に合った方法で無理なくペースを保つことが、学習習慣を身に付けるコツです。

子どもが勉強したがらない理由と親の関わり方

子どもが勉強したがらない理由と親の関わり方

「宿題以外にも何かやらせたいけど、子どものやる気がない…」と悩んでいる保護者の方は多いです。

無理にやらせても意味がないとは思いつつ、つい口を出したくなりますよね。そして親子げんかに発展…という話も、珍しくありません。

「勉強しなさい」と言えば言うほど、子どもはますますやる気をなくしてしまう。

でも、家で勉強したがらない理由は「勉強嫌い」だけではないのです。

たとえば、こんな本音があることも。

・日頃の学校での疲れ
・勉強よりしたいことがある
・勉強が苦手で一人で取り組めない
×をつけられるのがイヤ

こんな状態で机に向かわせても、集中できずにだらだらしてしまいます。

そしてさらに口を出してしまい、バトル再開…と悪循環に陥ることもあります。

まずは、どうしたら無理なくペースを作れそうか、子どもと一緒に考えてみるのも一つの方法です。

家庭学習の声掛けなどはこちらの記事をご覧ください。

【関連記事はこちら↓】

【低学年向け】家庭学習を拒否?家で勉強したがらない子どもへの関わり方
子どもが家で宿題をやらない、勉強をしようとしない…そう悩む親は多いです。元小学校教員が、子どもが勉強したがらない原因や、楽しく学ぶ工夫を具体例を挙げながら解説します。

勉強したがらない子どもでも取り組みやすい「遊び×学び」のアイデア5選

勉強したがらない子どもでも取り組みやすい「遊び×学び」のアイデア5選

勉強したがらない子どもでも、遊びを切り口にすると自然と学習に向かえることがあります。

ポイントは、「楽しそう!」と思える工夫と「勉強っぽさ」を感じさせないこと。

ここでは、できるだけ道具を使わない「遊び×学び」のアイデアを5つ紹介します。

しりとり|語彙・発想力が育つ王道遊び

用意するもの:なし(必要な場合のみ紙と筆記具)
親の関わり:あり(一人しりとりの場合はなし)

「しりとりが勉強になるの?」と思うかもしれませんが、低学年にとっては大事な言葉の学習です。

口頭でのやり取り、文字に起こす、カタカナしばりなどバリエーションを工夫すれば、語彙力や文字理解も深まります。

漢字たし算|クイズ感覚で、自然と漢字の構造理解に

用意するもの:紙と筆記具(必要な場合は漢字表や教科書)
親の関わり:あり

「糸+白+水=?」などと、漢字を分解してクイズ形式に。

部首を習っていない段階でも、楽しく取り組むことができます。

細かいルールは設定しなくても、漢字にのめりこむ姿につながれば十分

子どももクイズを作るのが好きなので、出題者を入れ替えるのもおすすめです。

オリジナル図鑑作り|観察力や表現力を身に付ける

用意するもの:紙、筆記具(色付け)
親の関わり:必要な場合あり

「恐竜が好き」「花に興味がある」と何かに熱中する子にぴったりです。

図鑑やタブレットで調べ、気に入ったものだけを集めて作る「自分だけの図鑑」。

好きなものだからこそ夢中になれるという「子どもらしさ」を生かした学習で「自由研究」にもつながります。

絵本作り|想像力・構成力・表現力など要素が盛りだくさん

用意するもの:紙、筆記具(色付け)
親の関わり:必要な場合あり

創作が好きな子はぜひ試してほしいのが絵本作り。

ストーリーを考えて表現する過程には、多くの学びがあります。

家族が感想を伝えたり、冊子風にまとめてあげたりすると、満足感もあり「また作りたい!」と意欲アップにもつながります。

お店屋さんごっこ|実生活に結び付く大切な力

用意するもの:商品、お金(紙で代用可)
親の関わり:必要

お店屋さんごっこには、学びの要素が多く詰まっています。

たとえば「果物屋さん」をする場合には果物カードを書く段階で語彙力が身に付きます。

そして、買い物場面では数の理解や計算力が自然と育ちます。

生活力が培われる、貴重なごっこ遊びです。

家で簡単にできる「遊び×学び」アイデアまとめ

遊び 学べる力 親の関わり
しりとり 語彙力・発想力 少なめ
漢字たし算 漢字の構造 あり
オリジナル図鑑作り 観察力・表現力 必要に応じて
絵本作り 創造力・構成力・表現力 必要に応じて
お店屋さんごっこ 計算力・生活力 あり

机に向かわずできる「体験×学び」のアイデア5選

机に向かわずできる「体験×学び」のアイデア5選

遊びの要素を含んでいても、なかなか気が向かない子には「体験型学習」がおすすめ

実は、日常生活の中にも見方を変えると「学びの種」があふれています。

ここでは、紙も鉛筆も使わずにできる学びのアイデアを5つ紹介します。

買い物で計算力・計画力を

駄菓子屋さんで「100円分選んでいいよ」だけでも「計画力」「数量感覚」が身に付きます。

スーパーでの買い物では「どっちが安い?」「どこ産?」と、会話次第で学びがぐっと広がります

生き物を育てて観察力・責任感を育む

アサガオ・ミニトマト、カブトムシ、金魚など身近な動植物を育てる体験には、多くの学びがあります。

「昨日と何が違う?」と問いかけると、変化に気付く観察力につながります。

お世話に必要な情報を調べる過程では、自主性や情報収集能力も。

工作で「創造力」「集中力」を伸ばす

段ボール、空き箱などでする自由な工作は、手を動かしながら考えることそのものが学びです。

試行錯誤する中で、創造力や集中力、粘り強さが養われます。

夏休みは、普段なかなかできない大作に挑戦するチャンスでもあります。

クッキングで「数量感覚」「段取り力」を育てる

卵を割る、材料を混ぜるなど小さなお手伝いでも、数や手順を意識するようになります。

一人でレシピを見ながら作れたら、それはもう立派な学習。

「料理って意外と大変」という気付きも、大事な学びです。

旅行やお出かけを通して「社会への関心」を広げる

長い休みだからこそ、普段できない経験をするチャンスです。

帰省や旅行など、日常から離れる時間は子どもの視野を広げてくれます。

そこでしかできないこと、そこにしかないものに触れることで、地理・文化など社会的な関心が芽生えます。

まとめ|勉強したがらない子どもでもできる「学び方」はある

まとめ|勉強したがらない子どもでもできる「学び方」はある

学びは、机の上にあるものだけはありません

もちろん、学校の宿題をコツコツやることも大事ですが、机に向かうのが苦手な子どもには、遊びや生活体験を通したアプローチをするのも一つです。

「これも勉強なんだよ」と言葉をかけると「勉強=つらいもの」というイメージも変わっていくはず。

「楽しい」が入口になる学びで、子どもに合った学び方を探してみてください。

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